
私の職場は、昔は名刺を持っていいるのは、役職と外回りの職員だけで、他の人は持っていなかった。名刺を持ちたかったら、自分で勝手に作成したらいいが、費用は自分で負担しなければいけなかった。
社会人一年目のその頃の私は、名刺って偉い人が持つものだから、私みたいな下っ端が持つものではないと納得していた。
同期の中では、自分で費用を負担して、名刺を作成して配っていた人もいたが、ごく少数だった。私が就職してから、4年後に、弟が就職した。弟は営業職ではなかったが、たまに他社の人と会うという係だったらしく、名刺を作成してもらっていた。
もちろん、費用は会社持ちであった。やっぱり、社会人になったら名刺を持つのが普通なのかとそのとき考えた。職場の環境も変わり、職員全員に名刺を作成するようになったのは、私が就職してから、10年も経ってからである。
それも、ペラペラの紙で、事務所の機械で印字するようなものだった。一般職員はそのペラペラ紙の名刺で、役職は自己負担で、一般的な名刺を持っている。本当に変わった職場である。